12月7日。

4/5
前へ
/32ページ
次へ
「…どうかなさいました?」 ようやく俺の変化に気付いたのか、不安そうに彼女は俺を見つめた。 「いや、その、まあ…えー……」 なんて答えたら良いのか分からなかった。 何せ、未来からの来客なんてお迎えしたことがない。 ただ一つ言えることは、彼女の話が全て嘘だとは限らない…って事。 こんな暑い真夏日に、暖房をかけ羽毛布団を装備し、汗一つかかないなんて普通の人間じゃありえない。 そう、少なくとも現代を生きる俺らでは。 「とりあえず、お茶でも飲みます?」 未来人にジッと見つめられ、捻りだした言葉はそんなものだった。 もちろん、『熱々の緑茶をお願いします』と返されたのは…言うまでもない。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加