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゙ この勝負も逃げれば ゙
そんな選択肢もあるかもしれない。
だがそれを選んでしまえば確実にキョウカを傷つけることになる。
知る必要はないのだと、突き放すことは簡単だろう。
しかし、その結果としてはキョウカの必要性すら否定してしまう。
この凛とした鬼の姫が揺らぐようなところは、不思議と見たくないと心から思うのだ。
だからこそ、寄せてくれる想いの分ぐらいは真っ直ぐに向き合わなくてはいけない。
「わかった……勝負と洒落込むか」
「うん、それでこそ我が夫だ!」
ニッコリと笑うキョウカを見つつ、かなりの確率で話すことになりそうだと、予感めいた確信が直弥の頭をよぎった。
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