7.ズレる思いとユレる想い

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 うなりをあげて突き出された右腕を直弥はその場を飛びのいて避けたが、キョウカの一撃はそのまま地面へと向かい、いとも簡単に周囲を陥没させた。 (これは………まずいな)  ほんの僅かでも気が緩もうものなら……いや、緩まずとも『ラプラスの魔眼』なしには無事では済まないはずだ。  封印としてのコンタクトをまだ外してはいないが、それももう――。 「どうしたナオヤ?左眼を…本気を出さずに敗れ後悔しても私は再戦など受け付けんぞ」 「……こっちにも事情ってものがね」  時間の問題だろう。  だがやはり逡巡せざるをえない。  本気を出せば、『ラプラスの魔眼』を解放すれば15分、いや10分程しか満足にまず直弥の身体は動いてはくれないだろうから。
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