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「こんなものじゃないだろう?ナオヤ!」
木箱の残骸に埋もれたままの直弥へと問い掛ける。
(思えば、学校が始まってからというものナオヤとの時間は激減した。同時にナオヤが私を見ている時間も)
こちらに来てからというもの、何時も直弥はキョウカの側にいて、何時もキョウカを見ていた。
だがどうしたことか、夏休みが終わった途端に、直弥がキョウカを見ることが少なくなった。
リーリスの存在を感知してからは特に。
キョウカは態度にも口にも出さなかったが、寂しかったのだ。
寂しくて、悲しくて、切なかった。
直弥に見て欲しくて仕方がなかった。何処をその瞳に写しているのかまるで解らなくて……。
「ナオヤ………教えてもらう、絶対にだ。――この戦いも楽しくて捨て難いがな」
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