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「そんなものでは私に傷一つつけられんぞ?」
腕を一閃、直撃する弾だけを落とす。
不適な笑みを浮かべるキョウカだが、しかし次の瞬間には驚愕に歪む。
右の二の腕と左足に一発ずつ銃弾が貫通したからだ。
「そんなものじゃ……なんだって?」
直弥はキョウカを真似るように不適な笑みを浮かべ、ベレッタを人差し指でくるくると器用に縦へ横へと回してみせる。
「なるほど……跳弾を利用したのか」
「真正面が無理なら搦手〈からめて〉から。常套手段だろ?」
わざと外した弾こそが本命、命中する弾はブラフという本来なら有り得ない選択。
「これが『ラプラスの魔眼』の力か」
そうなるべくして計算された弾丸の弾道。
これは想像を超えた厄介具合だと、キョウカは思わず苦笑いを作っていた。
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