7.ズレる思いとユレる想い

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 目の前へと飛び込んで来たキョウカの爪での斬撃を、ベレッタの銃身で受ける。 「くっ……」  左眼が破裂でもするんじゃないかと思わせる痛みで意識が飛びそうになるなか、必死で未来を垣間見る。  ――限界が近い。 「どうした?鵺〈ぬえ〉と戦った時のような余裕を見せてみろ!!」  競り合いなど、キョウカの膂力の前では数秒と持たず弾かれてしまう。  がら空きになった身体にキョウカの膝が埋まる。 「がっ!?」  地面から足が浮く。 「痛いぞ?」  直弥の胸へとそっとあてられた手、そこには… (これはマズすぎる!)  凝縮された念動力による力場が形成されていた。  洒落にならない一撃を貰い、今度は受け身も取れずに勢いよく転がっていく。
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