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錆びた鉄柱の一つに当たることでやっと止まることができた。
「ハァ、ハァ、ハァ…………身体が、ついてこない」
確かにキョウカの動きはラプラスの魔眼によってわかっていた。わかっていたのだが……直弥の身体がついてこれない。
現実が未来に追い付く早さが異常なことに加え、リミットが外れた直弥の身体はもとより充分に癒えていなく、むしろ動きが悪くなってしまった。
加えて普段の倍近い魔眼の副作用たる頭痛が、直弥の行動を阻害する。
「ククク…ハハハハハハハハハハハッ!!ぎぶあっぷかナオヤ?」
異様なテンションになっているキョウカを視界に入れると、余計に頭痛を感じ顔をしかめる。
なんのスイッチが入ったのかしらないが、溢れ出す霊力に揺るぎない意思が莫大な数値となり、それが直弥の魔眼に負担を強いていた。
毛細血管が切れ血涙がツッと流れる程に。
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