7.ズレる思いとユレる想い

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(やられっぱなしなのはヒジョーにむかつく、むかつくが……もう無理、疲れた)  別に昔話を絶対にしくない訳でもなし、ただ簡単にばらすのもなんか嫌だったからねばったのだ。  あと鬼に魔眼が通じるのかどうかも。  直弥が降伏宣言をしようとした矢先、突如として近づいたキョウカが胸倉を掴み、宙づり状態にされてしまう。 「さてと、そろそろとどめか?」 「殺すな」 「冗談だ。まぁ優しくするだけが妻ではあるまい」  ここまでボコるのも違うだろうと思った直弥の視線を感じたのか、開き直るように一言 「あれだ、たまには夫婦喧嘩もせんと空気が悪くなる。お互いの鬱憤を晴らすことで、幸せな生活は長続きするものだ」 「主に晴らせたのはキョウカだけじゃ?」 「こ、細かいことは気にするな!―――第一、最初から私を頼ってくれれば……」
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