7月2日‐『奏』

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彼の名前は「亮(リョウ)」、今年の春に大学に入学した一年生だ。彼は、田舎から出て来て一人暮しをしている。 亮「解った、夜7時にG棟前ですね。了解で~す。」 カナ「一年生は無料だから必ず来てね~。じゃあ、また後でね~。」 カナは亮の一年先輩で二年生の女の子だ。 カナは亮を飲み会に誘いに来た訳だ。 夜7時 亮「へ~、ここか。なかなか人、多いじゃんか。」 カナ「亮く~ん、ココだよ~。おいで~。」 亮「よっと。カナさん、お疲れッス。」 亮はカナの座っているベンチに腰掛けた。そしてカナの隣に居る女性に気付いた。 亮「あっ、どうも。一年の亮です。」 カナ「そっかぁ、二人は初めてか~。奏はアンマリ学校に来ないもんね~(笑)」 奏「はじめまして、奏(カナデ)です。私は二年生。カナの友達だよ、宜しくね。」 亮「………っあ、どうも。宜しくです。」 奏は何も変哲の無い普通の女性だった。しかし、亮には何故か特別な存在に見えた。 カナ「私、ちょっとアッチの一年の所に行って来るね~。」 亮「うぃ~。」 奏「はぁ~い。」 亮「…………………。」 亮(初対面だし、何を話せば良いんだろう…。気まずいな~。) 奏「ふふふ、亮くんって静か何だね(笑)」 亮「えっ、あぁ。すみません、初対面で緊張してて。」 奏「ふふふ、凄く素直だし(笑)ピュアなのかな?ふふふ。」 亮「あっ…、いやその。」 奏「後ね、敬語は使わなくて良いよ。面倒臭いね。」 亮「あっ、うん。解った。」 亮(おかしいなぁ、なんか緊張する。ドキドキするし…。一目惚れかな?ってソンナ訳、無いか。) 亮「今日、空が綺麗だよね。七夕が近いからからなぁ?」 奏「空?あっ本当だ、星が綺麗だね。ねえねえ亮くんはさ、空をよく見るの?」 亮「うん、空見るとさ何だか胸がキュッてするんだよね。切なくなるって言うのかな?」 奏「へぇ、不思議な人だねぇ。私は解らないなぁ(笑)」 亮「おいおい(笑)『解るかも』とか同意するトコじゃない?普通は。初対面な訳だし(笑)」 奏「ふふふ、私ってこういう人だから(笑)」
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