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「セフィーロまで!私に味方はいないの!?」
別に味方したつもりはないんだがとセフィーロが言う前に、
「あんまいじめたらダメだぜー、ヴァン」
「そうです。子供じゃあるまいし」
半泣きになった琴音を救った救世主が2人いた。
1人はトンガリのある金髪で、燃えるように紅い眼をした青年で、もう1人は黒髪を束ねてサイドポニーテールにしている女性。
前者は青龍院 大輝
御社神宮にも並ぶ“裏”の名門“青龍院家”の二代目当主である。
後者は緋鞠
忍であり青龍院家に仕えている。
大輝はヴァンやセフィーロと同じ黒いコートを、緋鞠は女性用の剣道着(白い上着と袴)のような物を着ていた。
「大輝~、緋鞠~…」
「ドンマイ。まー、そろそろおふざけは終了してもらおうかな」
「何だ?仕事か」
大輝の一言にヴァンがいち早く反応した。
「さすがヴァン。正解」
大輝は少し笑うと、真面目な表情に変わる。
「ちょっち、今回は難易度高いよ」
仕事。
社会の歯車となり、日常という機械を回す為の行動。
裏だろうが表だろうが、働く者の役割は変わらない。
日々を、動かす。
「退屈、あっさり終わったな」
ヴァンもまた、楽しそうに笑った。
琴音達も大輝の言葉に耳を傾ける。
役割なのだから、やらなくてはいけない。
それが義務であり、使命だ。
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