第一章~親愛なる破戒僧~

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「セフィーロまで!私に味方はいないの!?」 別に味方したつもりはないんだがとセフィーロが言う前に、 「あんまいじめたらダメだぜー、ヴァン」 「そうです。子供じゃあるまいし」 半泣きになった琴音を救った救世主が2人いた。 1人はトンガリのある金髪で、燃えるように紅い眼をした青年で、もう1人は黒髪を束ねてサイドポニーテールにしている女性。 前者は青龍院 大輝 御社神宮にも並ぶ“裏”の名門“青龍院家”の二代目当主である。 後者は緋鞠 忍であり青龍院家に仕えている。 大輝はヴァンやセフィーロと同じ黒いコートを、緋鞠は女性用の剣道着(白い上着と袴)のような物を着ていた。 「大輝~、緋鞠~…」 「ドンマイ。まー、そろそろおふざけは終了してもらおうかな」 「何だ?仕事か」 大輝の一言にヴァンがいち早く反応した。 「さすがヴァン。正解」 大輝は少し笑うと、真面目な表情に変わる。 「ちょっち、今回は難易度高いよ」 仕事。 社会の歯車となり、日常という機械を回す為の行動。 裏だろうが表だろうが、働く者の役割は変わらない。 日々を、動かす。 「退屈、あっさり終わったな」 ヴァンもまた、楽しそうに笑った。 琴音達も大輝の言葉に耳を傾ける。 役割なのだから、やらなくてはいけない。 それが義務であり、使命だ。
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