第一章~親愛なる破戒僧~

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会議中、会議中…… 「――。まー、こんなものでいいか。なんか質問はー?」 ヴァンがピシッと手を挙げた。 「はい、大輝先生!」 「じゃー、ヴァン君」 「なにやってんの?」 冷静に突っ込んだ琴音。 冷たすぎて、場が一瞬凍る。 「……んで、俺たちはどうすりゃいいんだ?」 「何も。強いて言うなら、準備かなー?」 ヴァンの質問に大輝は即答した。 「はぁ?そんなんでいいのか?もっとこう、相手の居場所調べたりとかあるだろ?」 「あぁ、それなら心配ないよ。あっちはこの神社に向かって来てるらしいからね」 「ん?それは初耳」 「今言ったからねー」 「結構重要じゃね、それ?」 「そんなに心配なら、付け加えてヴァンは油断しないようにねー」 「……へ~い」 納得出来ない。 なんで俺が悪いみたくなってるの?などとヴァンはブツブツ言いながらも、思考は仕事に向けていた。 (……確かに相手から来てくれるなら、こっちは歓迎会の準備をしてりゃいいのか。だけど……今回は少し…いやな予感がすんな…) 「一つ聞くけど……それってここは壊されないんでしょうね?」 ヴァンの思考を遮ったのは、琴音の不服そうな一言だった。 「そんなにヤワな造りじゃないでしょー、この神社」 大輝は部屋の柱をぺしぺしと叩きながら、あっさり返した。 「……はぁ。出来るだけ、早く終わることを祈るわ」 あとね、と琴音は続けて言う。 「ここは“神社”じゃなくて“神宮”よ」 言い残して、琴音はこの場から立ち去った。 「「細かいなぁ…」」 ヴァンは呆れ顔、大輝は苦笑いで同じことを言った。「さー、セフィーロと緋鞠もいつでも戦えるように準備しといて。さすがにいつ来るかまでは分からないからね」 「了解だ」 「承知」 二人とも了承して、琴音と同じようにこの場から立ち去った。
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