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会議中、会議中……
「――。まー、こんなものでいいか。なんか質問はー?」
ヴァンがピシッと手を挙げた。
「はい、大輝先生!」
「じゃー、ヴァン君」
「なにやってんの?」
冷静に突っ込んだ琴音。
冷たすぎて、場が一瞬凍る。
「……んで、俺たちはどうすりゃいいんだ?」
「何も。強いて言うなら、準備かなー?」
ヴァンの質問に大輝は即答した。
「はぁ?そんなんでいいのか?もっとこう、相手の居場所調べたりとかあるだろ?」
「あぁ、それなら心配ないよ。あっちはこの神社に向かって来てるらしいからね」
「ん?それは初耳」
「今言ったからねー」
「結構重要じゃね、それ?」
「そんなに心配なら、付け加えてヴァンは油断しないようにねー」
「……へ~い」
納得出来ない。
なんで俺が悪いみたくなってるの?などとヴァンはブツブツ言いながらも、思考は仕事に向けていた。
(……確かに相手から来てくれるなら、こっちは歓迎会の準備をしてりゃいいのか。だけど……今回は少し…いやな予感がすんな…)
「一つ聞くけど……それってここは壊されないんでしょうね?」
ヴァンの思考を遮ったのは、琴音の不服そうな一言だった。
「そんなにヤワな造りじゃないでしょー、この神社」
大輝は部屋の柱をぺしぺしと叩きながら、あっさり返した。
「……はぁ。出来るだけ、早く終わることを祈るわ」
あとね、と琴音は続けて言う。
「ここは“神社”じゃなくて“神宮”よ」
言い残して、琴音はこの場から立ち去った。
「「細かいなぁ…」」
ヴァンは呆れ顔、大輝は苦笑いで同じことを言った。「さー、セフィーロと緋鞠もいつでも戦えるように準備しといて。さすがにいつ来るかまでは分からないからね」
「了解だ」
「承知」
二人とも了承して、琴音と同じようにこの場から立ち去った。
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