雪白

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「兄上!   兄上…大変です!」       「力丸!   信長様と信忠様の前である!   控えなさい!」           この頃には弟の坊丸と力丸も小姓として上がっていた。   この日は兄上も安土に来ていて、弟達に相手をさせられていた。           「信長様! 申し訳ございません! 兄上を少しお貸し下さい!」       「力丸!」           「兄様達が…     信長様の家臣の方と喧嘩を…」         またか…     兄上は度々信長様の家臣と喧嘩をしていた。   私には大変優しく、いつも笑顔で接してくれる兄上だったが 陰口を叩かれたり、人の道から外れる事を大層嫌っていた。     気が短い事も手伝って直ぐに手を出すような人だった。     信長様は“たかが喧嘩”…と兄上を咎めたりはしなかった。       それにしても、あの坊丸まで一緒になって喧嘩とは…      
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