雪白

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兄上は絶対に悪くはない。   私は兄上の性格を良く知っている。       何か気に障る事でも言われたに違いない…           私と力丸が駆けつけると、 安永が手拭いで坊丸の顔を拭いてくれていた。       「安永…   申し訳ありません…」       「いや…   相手は逃げた後だったし…」       「坊丸!   小姓が顔に怪我をしてどうする!   何故お前まで一緒になって喧嘩を…」       「蘭丸兄様…   喧嘩には勝ちました!」       「そう言う問題ではないです!」           兄上は坊丸の隣でふてくされた顔で座っていた。       「兄上…   大丈夫ですか?   血が出てますよ…」       「すまん…蘭丸…   坊丸は俺を止めたんだけど…」           力丸が泣き出してしまった…       「長可兄様が侮辱されたんです…」       「力丸!」       坊丸が力丸を遮った。      
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