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「蘭丸兄様が信長様の御寵愛を受けてるから森家は安泰で羨ましい…って言われました…
それに蘭丸兄様は信長様の…」
「力丸!
それ以上言うな!」
坊丸が悔し涙を流しながら叫んだ。
兄上が頭を掻きながら話し始めた。
「蘭丸…
お前のせいじゃないからな…」
やはり兄上は私の知らない所で、私のせいで嫌がらせを受けていた…
私はニッコリ笑って兄上の顔の血を拭いた。
「兄上は戦場で立派に戦っておられるし、たくさん武功を挙げておられます。
私は兄上を誇りに思っております。
坊丸も力丸も良いですか?
言いたい人には何とでも言わせておきなさい。
森家が安泰なのは長可兄様のお陰なのです。」
坊丸と力丸は頷いた。
「長可!
お前に武田攻めの先鋒を命ずる!
国元に戻り戦の準備を整えよ!」
いつの間に来ていたのか
廊下の向こうから信忠様がそう言い残し帰って行った。
また、雪が降り出した…
白い雪が…
空からたくさんの雪が…
まるで花びらが舞うように…
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