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この年、織田信長は石山本願寺と激しい戦を繰り広げている。
信長自身も負傷しながら、何かに取り憑かれたかのように戦っている。
信長が戦の先頭に立ち戦ったせいもあり、味方の士気も高まり、戦に勝利した事は言うまでもない。
蘭丸の所に例の男が数ヶ月ぶりに、ひょいと現れた。
「お久しぶりでございます。」
私がいつものように微笑みながら駆け寄ると、
男の左手の袖から包帯が見えた。
「どうなされたのですか?」
私はとっさに男の左手に触れた。
「うむ…
石山本願寺との戦で矢が掠めただけだ。
どうと言う事はない…」
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