若草

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その男の手は、大きくて、少しゴツゴツして、暖かかった。    私は男の左手に触れた事を少し後悔した。     何だか恐れ多い気がしたからだ…           とっさに両手を体の後ろに隠し、       「ごめんなさい!」        …と言うと、男は、       「大丈夫だ! もう痛くない。   これくらいの傷…どうと言う事はない…」       …と言って、部屋の真ん中に腰を下ろした。      
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