446人が本棚に入れています
本棚に追加
蘭丸は走り続けた。
長い長い廊下を…
(何故この様な事に…)
ふと頭に数日前の出来事が脳裏を掠めた。
光秀が信長から激しい叱責を受けたあの日…
光秀の徳川家康に対する接待に、何か落ち度があったのか…
蘭丸は信長の命令で光秀の頭を激しく打ち付けたのだ。
多数の家臣の前で、さぞ光秀は煮え湯を呑む思いをしたであろう…
蘭丸はその時、光秀の顔を見ることが出来ず、
その震える肩をただ
…ずっと見ていた。
「まさか…
しかし一因かも知れぬ…」
「安土でも…
武田攻めでも…
明智殿の目は恐ろしかった…
以前から感じたていた黒い物は…
これだったのか…?」
二つ目の廊下の角を曲がると、その先に既に信長の家来衆が数人佇んでいた。
「蘭丸殿、早く中に!
信長様がお待ちでございます!」
最初のコメントを投稿しよう!