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「蘭!来たか!」
「信長様…」
息を切らせて部屋に飛び込むと、既に弥介ら数名の部下と小姓達が手に槍やら長刀やら太刀を持ち、鬼気迫る表情で立っていた。
「これを見よ!」
信長は本能寺の図面を広げた。
「ふっ…」
信長は不敵な笑みを浮かべていた。
「光秀…愚かな…」
信長は図面の中心を指し示し、静かに呟くように口を開いた。
「弥介ここがどこか分かるな?
良いか…明智の軍勢を一人でも多く引き入れよ!」
「承知致しました…」
弥介は数名の家臣を連れて部屋を後にした。
信長は本能寺の図面をバラバラに破き捨てた…
「うつけが…
このままで済むと思うなよ!
光秀っっっ!!」
蘭丸はただただ立ちつくすだけだった。
信長に何と言えば良いのか…
幾ら探しても言葉が見つからなかったのだ…
「蘭…そのような顔をするな!」
「信長様…」
蘭丸の目から涙が溢れて止まらなかった。
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