彩雲

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その日は朝からしとしとと冷たい雨が降っていた。     早馬を飛ばして信長様からの使者が来ていた。         城内は慌ただしく、子供の私でさえ       “何かが起こっている”       …と感じたくらいだった。         母上が泣きながら私の手を握りしめている。             父上が討ち死にしたと言う報せだった。     浅井長政・浅倉義景軍との戦いで、信長様の弟君・織田信治様と共に近江国・宇佐山城において、立派に戦い、討ち死にされたと言う事だった。      
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