第2段-イオン×アニス-

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「出来たぁ~!!」   教団内の一室に響いた、明るい少女の声 台所でくーっと伸びをする彼女の前には、可愛らしくラッピングされたハート型のクッキー   「後はこれをイオン様に渡すだけ! アリエッタに見つかると色々面倒だからなぁ… シンクはシンクで、規則だのなんだの煩そうだし 二人共こういう時に限って、本部じゃなくてこっちに居るんだもん なるべく慎重にいかないと…」   自分で作ったクッキーを見つめながら、一人気合いを入れ直す彼女…アニスは 自分の頬を軽く叩いた後、そっとそのクッキーをポケットにしまい、恐る恐る部屋を出た 目指すは導師イオンの部屋 もしかしたら仕事中かもしれない でも、今日はなんといってもバレンタイン! 恋する乙女なアニスちゃんにとって、凄く凄く特別な日なんだから   「長居するわけじゃないんだもん ちょっと渡す位…大丈夫だよね?」   渡しさえ出来ればこっちのものだ イオン様なら絶対に受け取ってくれる筈だから そう自分に言い聞かせて、とにかく今は足を進めた      
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