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「出来たぁ~!!」
教団内の一室に響いた、明るい少女の声
台所でくーっと伸びをする彼女の前には、可愛らしくラッピングされたハート型のクッキー
「後はこれをイオン様に渡すだけ!
アリエッタに見つかると色々面倒だからなぁ…
シンクはシンクで、規則だのなんだの煩そうだし
二人共こういう時に限って、本部じゃなくてこっちに居るんだもん
なるべく慎重にいかないと…」
自分で作ったクッキーを見つめながら、一人気合いを入れ直す彼女…アニスは
自分の頬を軽く叩いた後、そっとそのクッキーをポケットにしまい、恐る恐る部屋を出た
目指すは導師イオンの部屋
もしかしたら仕事中かもしれない
でも、今日はなんといってもバレンタイン!
恋する乙女なアニスちゃんにとって、凄く凄く特別な日なんだから
「長居するわけじゃないんだもん
ちょっと渡す位…大丈夫だよね?」
渡しさえ出来ればこっちのものだ
イオン様なら絶対に受け取ってくれる筈だから
そう自分に言い聞かせて、とにかく今は足を進めた
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