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-コンコンコン-
「失礼しまーす」
ようやく着いたイオンの部屋
軽くノックをすると、中に入る
しかしやはりこういう時に限って、嫌な予感というものは当たるもので
「アニス……!」
「………」
「げっ……シンク…根暗ッタ……;」
何やら書類にサインしているイオン
その隣に立ち、こちらを睨んでくるアリエッタ
そして壁に寄りかかったままのシンク
一番警戒していた二人が既に居た事に、泣きたくなってくる
「なんで二人とも此処にいるわけぇ!?
訓練は?任務は?」
「今日は外での任務は入ってない。それに、訓練は午後からだ
ボクは今別の仕事で、イオンがその書類を書き終わるのを待ってるんだよ」
「アリエッタは…さっき、イオン様と約束した…です
イオン様がお仕事終わったら、一緒にお散歩行ってくれるって……」
なんてタイミングの悪い
自分は神にでも見放されているのだろうか…
「最近中々相手をしてあげられませんでしたからね…
アニスは、ボクに何か用事でも?」
「へ?あ…はい。ちょっとイオン様に渡したい物が」
「導師は今仕事中なんだけど。そういうのは後にしてくれる?」
『ムカッ……』
まるで自分を邪魔だとでも言うようなシンクの言葉
しかもアニスの言葉の途中に
アニスの動きを遮るように
「ちょっとちょっと何よそれぇ、人を邪魔者みたいに言っちゃってさぁ」
「そういうつもりで言ったんだけど」
「ムッカ…」
「それに、イオンに渡したい物?……見たところ、書類みたいな物は何も持ってないみたいだけど
プレゼントでもする気かい?」
「そんなの駄目!アニスだけ抜け駆けなんて、許さない…です…!」
「アリエッタには関係無いでしょ!…そうよ。悪い?」
自分だって散歩する約束してたくせに
それだって十分抜け駆けじゃない
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