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神之矢学園会議室
各部、委員会、同好会のトップが集まっていた
誰一人、話すどころか物音一つたてずに、副会長の一人である柳下 玲から配られる書類に目を通している
「さてと…もう大した説明は必要ないよね?」
生徒会長の四谷 政宗が口を開いた
「注意事項等はその紙に書いてあるので、各々目を通しておくように」
会議室内は何やら異様な雰囲気だった
体中の震えが止まらない者
手に【人】という字を書いて飲み込む者
終始、笑顔の者
しかし、皆に共通していること
それは次の政宗の言葉を待つことだった
「それじゃ…」
政宗は椅子から立ち上がる
注目が集まる
政宗は机の上に片足を勢いよく、叩きつけるように乗せ、右手を突き上げた
「こっからが本番だぁ!」
「うぉぉぉぉ!」
政宗の雄叫びがきっかけとなり、運動部を筆頭に皆、後に続く
一転して異様な熱気に包まれた
「玲ちゃん!箱を用意!」
「…はい…」
玲は政宗にそう言われると机の下から、一つの箱を取り出した
「さぁ!始めるぞ!運命のくじ引きだぁ!」
「うぉぉぉぉ!」
職員室まで聞こえてくるこの雄叫びに、教師たちも「今年も始まりましたな」と互いに顔を見合せ、微笑んだ
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