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風…
一陣の…舞い風…
虚ろな瞳…
涼やかな風が
髪をなぜる…
あっ…
ふと漏らした一言…
風は大事にしていた髪留めをさらっていった
追うでもなく
つかまえるでもなく
少女は離れていく髪留めを目で見送った
その先には光が天から降りていた
少女は…怖じけずくでもなく
心穏やかに…
光に歩き出し…
光に消えた
風はそこに残った少女をゆらす
風が揺らしたそれは…
木の枝からぶら下がった魂の抜けた亡骸だった
ジン
完
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