○寂しくも虚しい金儲け○

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気だるい朝 隣にいるはずの彼女は仕事で、自分を起こさないように気を使いながら家を出たのだろう。   テーブルの置き手紙には 『冷蔵庫にご飯作ってます。温めて食べてね❤』 …食べる気にはならなかった。   ………数日前 「今回の仕事は―」   思い出したくもない。 依頼された今回の対象は彼女。 接触は偶然を装い、今の生活に至る。   愛はなかった。 夜の行為にも戸惑いはなかった。 仕事だったからだ。 献身的に尽くす彼女は、何故狙われるのかなんて考える必要はなく、虚しい期日だけがカレンダーを占領していく。   「明日…やるか…」 誰に言うでもなく呟いた言葉は部屋へ消えていく。   ――夜 帰宅した彼女は、疲れた体を休める事もなく夕飯を作っている。 最後の夕食 なんて事ない会話、[だった]。 「あのね…恨まないで聞いてほしいの…」   [会話]は繋がれる。 「あなたが食べてる[それ]には致死量の毒が入ってる。」   男は驚くでもなく、彼女の話を聞いていた。  
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