バス停

3/3
前へ
/273ページ
次へ
近すぎず、遠すぎず、遠野との距離を気にしながら慎重に立つ。 ちらりと視線を向ければ、いつもと変わらぬ整った横顔。 (ぅ…わぁ) とくんと鳴る心臓、顔が熱い。 自分なんか、存在さえ認知されてないんだろうな。 けれど、それでいい。 性格は大人しい目、顔は普通。 そんな自分に、彼が目を向けることなど有り得ないのだ。 真央は、ちくりと胸が痛んだのを知らないフリをした。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

273人が本棚に入れています
本棚に追加