第一章 ~紫雲~

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「君に聞きたいことがあるんだけど・・・」 「はい何でしょう?」 何でも来いとばかりに紫雲を見る 「この村には宿屋はあるかい?」 少年の目が輝いた 「僕の家宿屋ですよ!」 紫雲は笑うと少年を見た 「良かった 日が暮れてから村に入ったものですから・・・なかなか見つからなくて困ってたんです」 「なかったら野宿だったけどね」 黒陰は笑いながら言った 野宿という言葉を聞いて少年は目を丸くした 「女性だけで野宿だなんて危ないですよ」 真剣な顔の少年を見た二人はお互いに目を合わせた 「女性だけ・・・」 しばらくの沈黙を破ったのは黒陰であった・・・ 少年は目を丸くしている   「あはははは・・・女性だけねぇ・・・まぁ間違えるわな・・・」 黒陰は笑いながら紫雲を見た紫雲はうつ向いていた 「あのね少年 紫雲はね歴とした・・・」 黒陰は紫雲の肩に手を置いた 「男です・・・」 「・・・っえ!?」 少年は紫雲を見た・・・紫雲は頷いた 「大丈夫よ少年 この子よく女に間違われるから・・・・・・でもついてるもんはついてるもんね」 「黒陰!!!」 黒陰は笑って紫雲から離れた 「はぁ・・・自己紹介がまだだったね・・・私は紫雲、こちらが黒陰」             少年は笑うと二人を見た 「霄【しょう】日雨 霄・・・さっそく宿に案内します」
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