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突然背後から聞こえた幸樹の声に特に驚きも見せず、亮一は疑問符を返しながら幸樹に振り返る。
「その教師、気になんのか?」
「さぁ?」
亮一ははぐらかす様に笑みを見せた。
その態度が気に入らなかったのか、幸樹は両手で亮一の頬を掴んで引っ張る。
「おら、一丁前に幸樹様に隠し事すんじゃねぇよ」
「いひゃいっ、いひゃいっふぇふぁ」
バタバタと亮一が暴れると、幸樹がパッと手を離した。
赤くなった頬を手で押さえながら、亮一は潤んだ瞳で幸樹を睨む。
「おやおや。その可愛娘ちゃん顔で、一体今まで何人の男利用して来たんだよ?」
幸樹は意味有り気にニヤリと笑って言った。
そんな幸樹の顔を見て、亮一は溜め息を吐く。
「さぁね、そんなの一々覚えてられないよ」
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