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「小悪魔な亮ちゃん」
「止めてよ、その呼び方」
またも幸樹を睨みつける。
まぁまぁ、と幸樹はおどけた様子で亮一をなだめる。
「結局、その教師が次のターゲットな訳?」
「……」
幸樹の質問に亮一は黙りこくった。
「おーい。亮一くーん?」
呆ける亮一の目の前で手を動かして見ると、そこでようやっと亮一が反応した。
「あ、ゴメン…」
「お前、まさか……」
幸樹が怪訝そうな顔で亮一を見る。
それに気づきた亮一は、不機嫌そうな顔をして幸樹を見返す。
「何なの」
「その教師に惚れた…なんて事はねぇよな?」
そんな訳ねぇか、と幸樹はおどけたように笑った。
しかし、亮一からは反論の言葉も、はぐらかす言葉も返ってこない。
「……」
「え…マジ?」
口を開く様子の無い亮一を見て、幸樹は深く溜め息を吐いた。
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