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正直言うと、医者になる夢を諦めたわけじゃない。
なら何故、医者にならず保健医などやっているのかと聞かれれば、答えるのに少々困る。
それが、何とも情けない理由だからだ。
「女アレルギーって、俺……」
他の誰も居ない保健室に智の呟きが響く。
それこそが、智が保健医として鈴城学園で働いている理由だ。
医者になる上で最も障害となったアレルギー。
それを聞けば、誰もが口を揃えてこう言う。
『男として最悪なアレルギーだ』、と。
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