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「鈴城の生徒だったのか」 「あ、桜海の生徒だと思ってました?」 図星を突かれ、智は言葉を返す事ができない。 一方、亮一は智の反応に気を悪くした様子もなく、手近な椅子を引き寄せて腰を下ろす。 「気にしないで下さい。俺、よく女に間違われるんですよ」 見ての通り女顔だから、と亮一は続けた。 智は亮一の様子を見て、気を取り直し訊ねる。 「どうしたんだ?具合、悪いのか?」 その質問を待っていましたと言わんばかりに、亮一は椅子ごと智に近づき、身を乗り出す。 その顔が不適に笑っていたのを、智は運悪く見逃していた。
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