だって気になるんだもん。

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そう云うとベッド上の押し入れをゴソゴソと探すと一寸古びたカバーに入った扇風機が出て来た。 四段階錆びれたスイッチ式の緑色の扇風機。 「此れ自由に使って良いからな。」 「うん、有り難う。」 暫く足音が遠退くのを耳を側立てて待った。 私何でこんな罪悪感感じなきゃならないんだろ…。 捨てられた子猫を拾って来て内緒で飼って居る気分…。 ベッド下からチェシャ猫を拾い上げ、又じっと見詰めた。 同じ事か…。 「どうかしたかい、アリス。」 「何でも無い…。」 チェシャ猫の首を床に置くと、特に暑い訳では無いけれど扇風機のプラグをコンセントに挿し、微少のボタンを押した。 チェシャ猫のフードがヒラヒラ揺れて居た。 私はふと扇風機の目の前にチェシャ猫を置いてみた。 「此れはなんだい?、アリス。」 「扇風機だよ。」 「センプウキ?」 「そう、扇風機。風を起こす機械。」
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