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そして私は強ボタンを押した。
チェシャ猫のフードはバタバタ云いながら靡いていた。
やっぱり上から風を当てても脱げないか…。
部屋を見回し何か無いか探した。
そうだ、椅子の上だったらイケるかも!
おもむろに扇風機の前に置いた椅子にチェシャ猫の頭を置いた。
「何をするんだい、アリス。」
「ん、ちょっとした実験。」
「…ジッケン?」
「うん、じっとしててね。」
椅子の上に置かれたチェシャ猫の頭は何かの絵の様だった。
もう一度扇風機の風力を期待を込めて強にしてみた。
「亜莉子、扇風機ちゃんと使えたか。」
「…うん。全部ちゃんと使えたよ。」
「悪いな、クーラーとか無くて。」
「ううん、扇風機で十分だよ…。」
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