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迫り来る化け物、目は赤く充血し、枯れたような皺だらけの肢体。
じりじりと獲物ににじり寄る、野生動物のようだった。
二本足で立っては居るが、前かがみになったまま両腕はだらりと地面に向け垂れ下がっており脚を引きずり歩く度に左右が脚と同時に揺れる。
泥にまみれた金色の、人間で言う髪から恐ろしい顔が覗いた。
殺らなきゃ、殺られる!
川原 吾大(かわはら ごだい)はポケットに忍ばせたバタフライナイフを指先で確かめた。
袋小路の突き当たりを背中に感じながら、取り出したナイフの柄を握り手首を返す。
金属音を奏でながら形を取り戻したナイフを構えて、苦笑する。
化け物は、バタフライナイフの3倍はある、サバイバルナイフを握りしめていた。
勝てるかよ、けど死にたくねぇんだ!
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