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「お前が…助けてくれたのか?」
あれは、光流では無いのか。
そう問うと、相手は肩を竦めて見せた。
「僕が僕の自由意志により君の命を救ったのか聞いているなら答えはNO」
遠回しな表現は光流の小馬鹿にした態度を思わせて腹が立つ。
「何ならYESなんだ」
「僕等の自由を司る人の意志による結果、君の命がオマケで付いてきた。これなら答えはYES」
「意味がわかんねぇよ!人が…人が!」
人一人が死んでるんだ、俺の目の前で。
上から見下し、命を蔑む様な物の言い方が気に入らない。
「正義の在り方の違いだ。目の前の命一つを守ることが正義でもあるが、目の前の命を見捨てても多くの命の囁かな安心を守ることも正義で、僕の場合は後者に当たる。それだけの事」
ブレザーの内ポケットから、携帯を取り出すように手のひら大の拳銃を取り出す。
「君には言えない人からの命令で、君には言えない物の抹消を命じられ、君には言えない作戦の元、僕の部下がアレを撃った。救いではない」
銃口を真っ直ぐ額に向けられる。
「君の発言が多くの人間の恐怖を煽るのならば、僕の正義の名の下に君を殺したって構わない、そう言ったんです」
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