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「珍しい事もあるんスね、吾大サンが朝からガッコ来るなんて」
朝一番に居た訳ではない。
9時45分ジャスト、下駄箱の前を通っただけでこの言われ様なのだ。
身長は高校生にしても抜きんでており、それに加えたガタイの良さ、切れた目尻は少しつり上がり気味で着ている制服はお世辞にも『真面目』には程遠く、素行の悪さが明るみに出た所で言い訳の出来る出で立ちではない。
だが吾大はそんな事に構ってはいられなかった、アレは立派な事件である。
真偽を確かめるため、昨日からかけずり回っていたのだが正直、学校に行ってみれば早いと判断したのがさっきだった。
曖昧な返事をして、ここ数日、まともに居もしなかった教室へ向かう。
急いてしまう気持ちを抑えきれずにドアを開けるが…そこには目当ての手掛かりどころか『何も無かった』のだ。
そう、音信不通になって姿を眩ました藤堂光流の机は疎か、ネームプレート、彼の居た事を証明する全てが消えていたのだ。
焦りから、息が上がった。
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