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獄寺君と山本はオレの大切な友達で、二人にとってもオレは大切な友達……だと思う。
けど、二人の関係は友達じゃなかった。初めてそれを知ったのは中2の時。忘れ物をして教室に取りに戻ったら二人が窓際でキスをしているのを見てしまったのだ。
勿論そんな事を二人は知らないし、二人からも付き合っている、と聞いたわけでもない。まぁ、言われたところで何かが変わるわけではないのだが、何となくお互い言いずらいんだと思う。
しかし、オレ達が高校に入る少し前に獄寺君が半泣き状態で家に来たときにその関係が微妙に変わった。
獄「十代目~、聞いてください!!あの野球馬鹿がいきなり部室でヤろうって言い出したんすよ。」
だから思わず殴って来ちまいました。と悲しそうに言ってきた。
[ピーンポーン]
オレが何かを言う前に玄関のチャイムが鳴った。その時に獄寺君の体がビクッと震えたのも見逃さなかった。
山「ツーナー。ちょっといいかー??」
外から山本の声が聞こえた。
獄「十代目、オレがここにいるって山本には………」
綱「わかった。オレは言わないよ」
オレは意味ありげに獄寺君に微笑みかけ下に降りて行った。
綱「山本、どうしたの??」
山「獄寺来てねぇか??
さっきちょっと怒らしちまったんだよな」
いつもと変わらない笑顔を見せる山本。
綱「半泣きだったよ??」
山「やっぱここにいんのか??」
綱「オレは何も言えないよ。なんなら電話してみれば??」
山「それが出てくんねぇんだよな」
アハハと空笑いを見せる山本。その姿は少し切なかった。
綱「オレのでよければ使う??」
スッと携帯を渡す。
山「サンキューな。じゃっ、ちょっと借りるぜ」
………元気だな……
とか思ってる間に山本は電話を掛けていた。
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