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頭に“恐い”と言う言葉が鎖のように連鎖する。
――逃げたい。
俺は逃げようと、来た道を戻った。今さっきより、全力で走った。
でも一行に外に出れない。
――此処本当に何処だ。
さっき走った記憶はあるが、走って来た道がわからない。
――何処に行けば出れるんだ。
俺はそう思い立ち止まった。
「何処だよ此処はッ!!」
叫んだ。でもあたりはシーンとしている。風の音、虫の鳴き声もしない。
だが、あの声はする。
「道連レ」
俺は驚いた。またあの女の子の声がしたから。
「アハアハハアハハハアハハ。」
女の子は笑いだす。
俺はゆっくりと凍りついたような体を後ろに向けた。そして、女の子は言った。
「道連レダッ!!」
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