決意

1/4
前へ
/15ページ
次へ

決意

公園で二人が語り合った日から数日が経過して、伊吹はというと悩みを抱えていた。 彼に自信を持たせようと言った事についてである。 (私が才能を見つけてあげる) とは言ったものの、どうすればいいのか悩んでいたのだ。 そこで伊吹は一人で考えてても仕方ないと思い、親友でもある茜(あかね)に相談を持ち掛ける事にした。 思いたったら即実行といった感じで伊吹は親友の茜に電話して近くのファミレスに呼出したのだ。 伊吹は先にファミレスの前に到着して待っていると、すぐに茜もやってきた。 「ごめ~ん。待った?」 と茜は慌ててやってきた。 伊吹にとって茜は高校時代からの付き合いで伊吹が困っている時にはいつも相談にのってくれる優しい親友である。 「わざわざ来て貰って、ごめんね。」と伊吹が言うと茜は「なんか、悩みでも抱えてるんでしょ。聞いてあげるから中、入ろっ」と言い二人はファミレスの席についた。 茜は何も言わなくても伊吹が悩んでる事を分かってくれていたのだ。 「…で、どうしたの?」 茜は早速、伊吹に聞いた。 「う~ん。実はね。まだ茜に言ってなかったんだけど私ね 最近、彼氏ができたの。」 と告げると茜は少し驚いた表情で「そうなんだぁ~。おめでたいじゃない。けど悩んでるって事は、なんか彼氏さんに問題でもあるの?」と聞いてきたので伊吹は彼の事を打ち明けた。 「悪い人じゃないのよ。 ただ、彼が自分に自信を持てずに悩んでるようだったから私がなんとかしてあげたくて…彼に『才能を見つてあげる』って言っちゃったんだけど、どうすれば良いのか分からないの…」 伊吹がそう告げた数秒後、茜が口を開いた。 「そうねぇ~ 。伊吹がその人の事、信じてずっと付き合っていくつもりなら彼と同棲してみれば!」 「えっ!なんで同棲なの?」伊吹はキョトンした表情で茜を見つめた。 すると茜は話を続けた「理由は簡単。その方がいつも一緒に過ごせて彼の才能なり良い部分を見つけてあげられるんじゃないかな。」 (なるほど、そういう事かぁ) 伊吹は茜の提案に関心した。 「でも、まだ付き合い始めて間もないし、そんな事出来るかな?」伊吹は茜に問いかけてみた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加