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一方、誠一はというと不安な気持ちでいっぱいだった。
(大事な話ってなんだろう。やっぱり俺はフラれちゃうのかな)
そんな気持ちを抑えきれず時間よりも早めに喫茶店の前に向かい彼女を待っていたのだった。
誠一が喫茶店の前に到着して、しばらく経過して彼女はやってきた。
誠一は恐る恐る彼女の表情を確認すると、いつもと変わらぬ優しげな微笑みを浮かべ「お待たせぇ~。けっこう待たせちゃったかな?」
誠一は首を横に振りながら「そんなに待たされてないよ。俺もさっき着いたばかりだよ。」と微笑み返した。
「それなら良かった。何か飲みながら話そっ。」 伊吹は彼の袖を掴み喫茶店の中に入り、席についた。 二人はそれぞれに飲み物を注文して、しばらく静寂した時間が流れた。
小さな喫茶店の中は他に客もおらず静かなものでひと昔前の曲が心地良い程度の音で響いていた。
【コトン。…コトン。】
「お待たせしました。では、ごゆっくり。」店員さんが注文した飲み物を置いてカウンターの方へ去っていった。
伊吹が飲み物を一口・二口飲み、口を開いた。
「あのね。いきなりこんな事言って驚かないでほしいんだけど…私達…一緒に暮らしてみない?…駄目かな?」誠一はあまりに唐突な話だったため、しばらくア然としていた。
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