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定員200名。
志願者数350人。
倍率はかなり高い。こんなとこに合格?嘘だろ!?
突然、僕の頭の中に試験問題が走馬灯のようによぎった。
いや…間違ってる。これだって外れたはずだ。
問題の答え合わせをするかのように、僕は頭の中を整理した。
「合格間違ってました。なんて…ないよなぁ???」
僕はボソッと呟いた。母はその言葉を聞くと、受験番号を持って、入学手続きのカウンターへ走っていった。
「1192!!合格で間違いありませんか!?取り消しなんてことになりませんか!?」
おいおい…僕も聞こうとしてたぞ。
受付の先生はたじたじになっていた。おばちゃんの迫力に圧倒されていた。
「え~と…受験番号ありましたか?」
母は先生のその言葉に大きく頷いていた。
「で…では、おめでとうございます。間違いありませんよ。」
そういうと先生は茶封筒を手渡した。
きっとあの中には入学手続きの用紙が入っているんだろう。
それでも母は信じられない。という顔をしていた。
「お母さん。あなたのお子様は自分の実力で合格を勝ち取ったんです。誉めてあげて下さいね」
先生は優しい顔で僕を見た。
なんだか、爽やかな先生だった。
「俊~っ!あんた良くやったわよ!」
母はそういうと人目も気にせずに抱きついた。ちょっとうざかった。
「わ…わかったから…離せって。」
僕だってまだ信じられない。だけど、あの先生の言葉は信じられる気がした。
その日の夕飯はご馳走だった。奮発しすぎだろう。というほどに。
もちろん、父も姉もびっくりしていた。
2つ離れた姉は僕よりも頭が良かったが、柳ヶ丘高校は難しいと言われランクを落として受験した。
姉はあたしも受けとけば良かった。と愚痴を言っていた。
だが喜んでくれた。
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