6人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
それからの毎日は忙しかった。制服の採寸や、入学前の問題集など…進学校ならではのハンパない量だった。
ちょっとだけ後悔したけど、まぁ特にやることもなかったし、問題集をさっさと片付けた。
制服は私立だけあって、かなりオシャレだ…。
地元でも柳ヶ丘高校の制服はオシャレで有名だった。
女子の制服もかなり可愛い。黒のブレザーに、襟や要所要所に白のラインがひいてあって、清楚な感じだ。スカートもワンピースみたいな感じで可愛い。ブラウスはもちろん白。リボンも細くて可愛い。
ってか、僕…制服しか誉めてない。
決して怪しいものではありません!!
ただ、本当に可愛いんだ。
男のあこがれがギュッと凝縮されたような制服だ。
考えただけで、鼻血が出そうだ。
毎日、そんな事を考えていた。そんな馬鹿な事を考えているうちに、あっというまに、入学式。
合格間違ってました。の電話は来なかった。良かった。
僕はあこがれていた、柳ヶ丘高校のオシャレな制服に袖を通し、入学式にいざ参る。
母もスーツに着替えていた。母はというと、やはり着ていくものを悩んでいたようだ。
ちょっと前まで、着物で行くか、スーツで行くか迷っていたらしい。
どっちでもいいけど、着物は…ちょっと。気合い入れすぎな感じは否めない。
僕と母は緊張の面持ちで、高校へと向かった。
そう。あの日、紗弥加に恋をした、あの場所まで。
ここが僕と紗弥加の運命のスタートラインだったのかもしれない。
何もかもが、この日、この場所で動き出した。
大袈裟かもしれないけど、それでも、今の僕にはそう思えて、仕方がない。
君に出会えたことは、運命だったのかもしれないね。
最初のコメントを投稿しよう!