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クラスを眺めると、やはり彼女以上に気になるような子はいなかった。
「新入生代表‼マジかわいかったよなぁ⁉」
何⁉やっぱり、もう話題になってる⁉
ヤバい…。ってか、このクラス、女子は普通だけど、男子、かっこいいの多すぎないか⁉
俺じゃ、太刀打ちできない。はぁ……。初恋なのに……。悲しくも散りそうな感じだ。
担任が入ってきた。普通の男性教諭だ。
「クラス委員を決めたいんだが、誰かやってくれる人、いるかな?」
もちろん誰も手を挙げない。進学校だ…そんな事に時間を割く余裕はみんなないんだろう。
「はい‼」
ん?意気揚々と手を挙げた男子が1人。
中学のときに、同級生だった、金子だ。へぇ~あいつ、意外と空気読めるんだなぁ。
「僕ではないですが、大塚俊君がいいと思います。」
ん?大塚俊?同姓同名?んなわけねぇ。
「は?俺?」
「うん。だって君中学でも委員長やったじゃんか?」
やるにはやったが………………。3学年で一人ずつ選ばれるベルマーク委員だ。時期がくれば必ず委員長になる。
「よし。大塚‼頼んだぞ‼月に2~3回集まる程度だからな」
え~‼月に2~3回も⁉マジかよ…。
最悪だ。金子…一生恨んでやる。
「とりあえず、今日顔合わせするから。少し残るように。」
今日⁉残るって…え~‼マジかよ………。
入学式で良いことあったのに、どんでん返しだ…。
入学式はとりあえず終わった。12:00一般の生徒は帰宅。
僕たち委員長は居残り。最悪だ。
クラスメートの嬉しそうに帰る後ろ姿を見て、なんとも言えないイライラが込み上げていた。
「ムカつくなぁ。」
なんで僕なんだよ。
金子…………。
ムカつくなぁ。
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