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2XXX年、一人の少年が発症したストレス性変態症候群(SMS)と命名されたこの病は、人の遺伝子さえも変形させてしまう不治の病と呼ばれていた。
時を置かずに全世界で発症したこの病は、トランスという変態能力によって、異質で驚異的な力を発生させる。その為に巷ではキャリアによる殺傷事件が多発するようになっていた。
長年の研究によってキャリアの遺伝子が人間のそれとは異なる事が判明。政府は悩みの種であった彼らを完全に否定した。
そうして、SMSキャリアは世間で疎まれ、国が建設した地下都市へと武力によって強制的に収容されるのだった。
この話はキャリア達の地下都市収容が決定してから約10年後の話である。
北ブロック地下都市 Snow Dome、そこは東北から北海道にかけての、SMSキャリアが一挙に集う場所。
日本には全国にSMSキャリアの為の地下都市が3つある。
北海道から東北にかけてを北ブロックの通称スノードーム、関東から関西にかけてを中央又は中部ブロック、Under Cityと、九州から沖縄までを南ブロック、通称イザナギだ。
それらには、その地方や気候によって発症したSMSキャリア達が集められ、厳重な監視と統制の元暮らしていた。
物語は日本全土を巻き込むキャリア戦争勃発より約2年前から始まる。
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