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ブリザード第二部隊。そこに陽登は所属していた。
織人よりも2年前にスノードームへと入れられ、新たな生活にも慣れた1年後、彼女は突然この特殊部隊に、半ば強引に入隊させられたのだ。
特に望んで入ったわけでは無いので、選ばれた時はそれほど嬉しいとは思わなかった。
陽登の望みはただ一つ。
何があっても生き延びる事にあった。何が何でも生き延びて、後世に伝えて行かなければならないものを、小さなその背に背負っているのだ。
どんなに辛い事があっても、自らの死を選ぶ事は絶対にせず、生きてさえいれば…生きているからこそだと、陽登はそう思うよう日頃から心がけるようにしていた。
スノードームにいるキャリア達は、関東から下のキャリア達よりも冬の寒さに強い。がしかし当然、夏の暑さにはどちらかと言うと弱い方だ。人によっては差が出るのだろうけれど。
それは陽登にとっても例外では無い。
勿論、彼女のSMS能力が深く関係しているのだが、夏という季節は特に身動き一つ取れなくなってしまう時がある。だから陽登は夏が大嫌いだった。
それでも、課せられた任務はこなさなければならないのだから仕方ない。
あの蒸し暑い最中、トランスすると、自分の身体から何かが抜け落ちて行くような気がして、任務がある度に怖くて仕方がなかった。
彼女は吹雪を操り、自らも雪に成り変わる能力を持つ。
巷では雪女と呼ばれ、陽登率いる第二部隊の隊員は皆、雪ん子と呼ばれていた。
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