疑問

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この山に行くと言ったら村人達が俺達に防寒具をくれた。気前が良すぎるのもゲームらしいな。ま、お陰で大分寒さは防げている。 邪魔にならない感じのコートやマフラー、手袋など、本当に助かる。これらがなかったら凍死しそうだ……。 そう思いつつ俺は前方に目を向けた。 「時兎、死んでないか?」 「……寒い」 「そっかそっかー。なら大丈夫そうだな」 ヘラヘラと笑いながら時兎をおんぶして歩いている達馬。山の中腹くらいで時兎が一度足を滑らせたので、それから達馬がおんぶをしてやっている。 こうして見ると兄弟みたいだよなぁ……。 なんて思っていたら、隣から声をかけられた。 「ねぇ、青空」 「? 朱理も疲れたのか?」 「えっ!? ううんっ、全然だよっ!!」 俺の言葉に朱理は顔を赤くして否定をした。……何でだ? ただ疲れてるなら休憩しても良い、と言おうとしただけなんだが……。
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