疑問

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「あのね、一先ず今日はこの辺で登るの止めない? 時間が時間だし、これ以上は危険だよ……」 朱理が言った通り、確かに辺りは薄暗く視界も悪い。しかしだ。 「休むにしても……野宿は死ぬぞ?」 そう。俺達は取り敢えず登って来たのは良いものの、泊まる場所を考えていなかったのだ。しかし、朱理はふるふると首を横に振って笑みを見せた。 「大丈夫。ほら、見て?」 朱理の指差した方向。その細い指の先に見えたのは……、 「ログハウス……?」 「うん。今日はあそこに泊まらない?」 確かにあの中なら寒さは防げるだろう。俺は1つ頷いてから前方を進む達馬と時兎に大声で呼び掛けた。同時に朱理は後方にいる雪と武琉に呼び掛けを行った。 4人は俺達の提案に直ぐに乗ってくれたので、俺達は吹雪の中1件だけそびえ立っているログハウスに向かうことにした。
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