疑問

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達馬は覚悟を決めたかのようにゆっくりと息を吐いた。そして、ドアノブに手をかけ、勢い良く開く。 すると、ドアの開く激しい音と共に、達馬に向かって何かが衝突してきたのだ。 俺達は反射的に構えをとった……のだが……。 「んふふふふー。初めましてなのー!」 達馬の上に馬乗りになっていたのは、幼い少女だった。フリルが沢山あしらわれているピンクのロリータファッション。 金に輝く腰まである髪の毛は緩くウェーブがかかっていて、頭には何故かネコ耳のオプションまでついている。 「あれ? 何でノーリアクションなのー? リアクションして欲しいのー」 「……取り敢えず、退いてくれるかな? お嬢ちゃん」 「お前誰だ?」 達馬と武琉の言葉に、少女はエメラルドグリーンの瞳をニンマリと細め、んふふふふ、とまた笑って地面に降り立った。 ……あ。よく見るとネコの尻尾までついている。
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