疑問

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「サンはサンなの。それ以上でもそれ以下でもないのー」 つまり、俺達に素性を明かすつもりはないらしい。にしてもこの独特な話し方……、マジで気になる。 「……ねぇ。僕達早く中に入りたいんだけど」 と、いい加減痺れを切らしたのか時兎が気配もなく俺達の前に出てそう言った。確かにこれ以上この寒空の下にいたくない……。 「んふふふふ。いーよ、中にどーぞなの」 「……」 「お邪魔します」 サンのあとに戸惑うことなくついていく武琉と雪。時兎は達馬を一瞥したあと、 「……行こ」 とだけ言葉を発したあと、スタスタとログハウスの中に入って行った。達馬もため息を1つついたあと、時兎について行く。 一方、俺と朱理は顔を見合わせたあと、互いに頷き入って行った。 彼らが躊躇することなく正体不明なサンについて行ったのは、きっと実力に自信があるからなんだろうな……。
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