297人が本棚に入れています
本棚に追加
『そうだねぇ……。少しだけなら見せてあげるよ。さっきの奴の携帯から見た今の世界を、ね』
そう言うと、真っ白な部屋に不釣り合いなスクリーンが現れた。そして砂嵐が暫く起きた後、スクリーンに映像が移る。
「ひぃ……っ!?」
「うわぁ!?」
「酷い……!!」
それは、先程の彼がベッドに突っ伏し、携帯に向かって手を伸ばしながら死んでいる映像だった。目は白目になっていて、口からは真っ赤な血と涎が混じったものが垂れている。
それだけならまだ良い。彼は体中の至る所から出血している。……あり得ないよ……。
『ふふふ……。君たちも、いずれこの世界で死ねばこうなるんだ。ま、精々死なないように気をつけながらミッションをクリアしていってね』
“それ”がパチンと指を鳴らすとスクリーンはいつの間にか消え、ただの真っ白な部屋に戻っていた。
最初のコメントを投稿しよう!