共同戦線

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サンの去った後、暫く皆唖然として動く気配が全くなかった。しかし、一番早く我に返ったらしい時兎が立ち上がった。 「……あの情報が正しいなら、今の内に対策を練ろうよ」 「え?」 「対策……?」 時兎の言葉に朱理と武琉が首を傾げた。そんな2人と反応のなかった俺と達馬、雪を見て時兎はフゥ、と息を吐いて顔をしかめた。 「何って……決まってるでしょ。……光陽鳥を倒す時の大まかな作戦だよ」 「いや……、モンスターがどんなのかわからないのに作戦も何もないだろ……」 俺は思わず口を挟んでしまった。いや、でも相手もわからないのに作戦ってのは……無理がないか……? しかし、時兎は顔をしかめたまま首を横に振った。 「……例え敵を知らなくても、この人数なら少なくともフォーメーションや互いの能力を詳しく知っておく必要はある……。 ……それに、このゲームはやり直しが効かない……。……だから慎重にするのが得策でしょ?」 ……確かに、時兎の言葉も一理あるよな……。
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